タイトル:アッパレ! あらすじ あかんたれ

あかんたれ

第61話〜第70話

意図しないネタバレを防ぐため
あえてスペースを大きくあけています。
上下左右にスクロールしてお読みください。

もどる

 

 

 

 

話数 ひとこと あらすじ
61    お絹はおすみに秀松に会ったこと,堺へ掛取りに行ったことを話する。おすみはなぜ一晩でも泊めてやらないかと怒る。お絹は「泊めると二度と店に帰らない。今までの苦労が水の泡になる」と答える。「おじぇじぇの顔を見んことには元気にならん」というおすみに,お絹は秀太郎からもらったお金を渡す。
 作造は大黒屋まで秀松を案内する。あっさり支払いを断られた秀松を見かねて,作蔵が強力に援護射撃。大黒屋主人の「軒下で5日まで待ってろ」との言葉を受け,店先に居座りうどんを売り始める。これに参った大黒屋はしぶしぶ支払いに応じる。
 掛取りした金を持ちフラフラになり成田屋へ倒れ込む秀松。だが次三郎は金を横取りし,自分が取ってきたことにしてしまう。悔しがる秀松をこっそり音松が路地裏へ連れ出す。
 音松は一人で反物を売る商人になっていた。秀松は「掛取りしてもほめてもらえん」というが,音松は「ほめよう思ても,その何ともいえん目でにらまれたら怒りとうなる。怒られそうになったらすんまへんと謝れ」と教える。二人は雪の中で「コラ!秀松!」「すんまへん!」と練習しながら涙を流す。
 13年たち時代は大正。一回り大きくなった秀松(志垣太郎)が,店先でお久を迎えるが,お久は相変わらず冷たくあしらうのであった。
62    この時期船場では貿易が始まり,息子を大学へやるのが流行。日本は成長期だが成田屋は繁盛していない。
 お糸は女学校を出て修行中だが,兄弟のせいで婿が来ない。
 富江は女学校を卒業してまた別の女学校へ入学する変わり者。
 安造は中学で2年落第,大学予科入学で1年浪人し,金を積んで私立の大学予科1年生になっていた。安造は芸者遊びのために次三郎へ小遣いをせびるありさま。
 お久は子供たちや秀松のことで頭を悩ませていた。
 孝助は降ると耳が遠くなり晴れると頭がボケると思われていた。
 秀松は誰からも兄弟と言ってもらえず,相変わらず丁稚として冷たく扱われていた。だが秀松は店の財産をもらうつもりはなく,ただ店の役に立ちたいと思っていた。
 お糸は秀松の気持ちを知り,秀松に優しくしたり冷たくしたりと揺れていた。
63    お糸は秀松に優しくしたり冷たくしたりとゆれていた。
 秀松は店の裏口で野田屋のとうさん(美代子)を見かける。美代子は富江をこっそり呼び出すよう頼む。
 安造が学校へ行くふりして心斎橋で遊んでいるとの噂を聞き,お久が学校へ行ったところ,安造は退学になっていた。
 お久の部屋で,「よほどのことをしないと退学にならない」とお糸が非難するが,安造は「店で働くために辞めた」と言い訳し,秀松の悪口を言いごまかそうとする。お糸は「安造が店の金を使い込んでいる」と言うが,安造は「てかけの子が使い込んでいる」と反論。お久はお糸の言葉を聞かず安造を許す。お糸は安造に「あんたが店を傾け,てかけの子が店を守ろうとしてたら,てかけの子の方が跡取りにふさわしいと思われるから気をつけて」と忠告し部屋を立ち去る。
 安造の退学を喜び晴れ着を着た富江は,「学校を退学になった子が怒られず,学校へ行ってる子が怒られる」とお久に抗議。安造は「あんな姉が二人もいては働く気にならん」とすねるが,お久にせかされ「また小遣い頼むで」と言い残し店へ行く。
64    富江は成田屋から離れた橋のそばで美代子に会う。それを秀松が影から見ている。美代子の口から驚きの事実が語られる…
 美代子の家は倒産し夜逃げ,両親は死んだ。美代子の妹秀子は,安造に結婚するとだまされ体を許し捨てられた。怒った妹は大学へ訴え安造は退学になった。夕べ妹の所へ安造が現れ,「お金持ってくるからあきらめろ。でもてかけにならしてやってもいい。」と言った。妹は怒りと憎しみで自分の小指を切り落としてしまった。
 この美代子の話に富江は絶句する。美代子は富江に「てかけになるほど落ちぶれてへん。今度来たら殺す。憎しみと苦しみのこもった小指を渡してくれ」と箱を渡し立ち去る。箱の血を見て失神する富江を,秀松があわてて走り寄り支える。
 お糸はお久に,安造が店からどれだけ金を出したか調べろと言う。実は安造は店の金を使い込み,次三郎が帳面をごまかしていたし,大学からの呼び出しも次三郎が代わりに行っていた。疑いを持ったお久は,次三郎を呼び出し帳簿をチェックする。店に出た安造は,何とかして店の金を盗もうとするがうまくいかない。
 秀松は富江を店の裏口まで送る。秀松は富江から箱を返せと言われるが,秀松は川へ捨てたと答え怒られる。
65    お久は帳簿を調べるが,秀松の給金は他の丁稚より多く5円と書かれていた。
 富江はお糸に「こわい」と泣きつき全てを話す。
 安造は店の金の入った袋を盗む。それを見た秀松が止めにかかるが,豆七らが秀松を取り押え,安造は逃げる。秀松は裏庭へ引きずり出され,訳を話す。だが孝助は盗難防止のため袋を2つ作っており,お金は無事だった。孝助の行為から,安造が盗みの常習犯であることがお久にもばれる。そこへ富江が「安造は秀子をてかけにするためお金が必要だった」とばらす。お糸は「本妻の子の恥をこれ以上てかけの子に知られたくない」と秀松を追い払う。富江・お糸は小指の件もお久へばらし,安造が行くと殺されると聞いたお久は次三郎を茶屋「新亀」へ走らせる。井戸で一人顔を洗う秀松は,美代子の「今度来たら殺す。」との言葉を思い出し,安造の身を案じる。
 安造は金袋で話をつけようと茶屋へ行くが,茶屋の番頭は「秀子はおまえにだまされ小指を切り傷口が膿んで死にそうだ」と安造を非難。安造は次三郎の姿を見て逃げ出す。安造を探しに来た秀松は,美代子に「安造を出せ」とせまられ,茶屋の番頭に「成田屋と名のつくやつは二度と来るな」とどつかれる。
66    秀松は美代子と番頭らの会話から,生駒の不動神社・石切さんのお札が怪我に効くこと,秀子が四ツ橋の病院へいることを知る。安造を探しに来たお梅は秀松に会う。
 そのころ次三郎は料亭で安造と酒を飲んでいた。次三郎は全部お久にばれたことを話すが,安造は全く反省の色なし。安造はしばらく帰らずお久を心配させ,迎えに来るのを待つことにする。安造は盗んだ袋に金が入っていないと知り,「おったん何とかしてーなー」と泣きつく。
 お久・お糸は帳簿を孝助に見せ,次三郎・直助が帳簿をごまかしていることが判明。安造が金を持ち出していること,秀松が給金をもらってないことも判明。お糸は「秀松のほうがお父さんに似ているのがくやしい。てかけの子に跡継がせんならんようになるかもしれん」と怒り部屋を出る。
 お糸は富江の部屋へ行き,富江が先生になるため大学を受けようとしていることを知る。富江はお糸に好きな人がいるとからかう。お糸は富江の進学に賛成する代わりに,富江が婿養子を迎えるよう条件を出す。富江はお糸が好きな人を婿にすればよいと言うが,お糸は拒否。お糸は秀松をかわいそうと思う心と憎らしく思う心があり,秀松のことを思うと店を継ぐことができないと告白。だが富江は秀松をおへその横にできたイボだと思っていた。
 病室で美代子は秀子に,安造が店に来たことを話す。そこへ「ごめんやす」と秀松が声をかける。
67    病室前で秀松は「何か手伝うことがあれば」と言うが,美代子は怒って追い返す。その直後に秀子の容態が急変。医者は処置の後,美代子に「一晩持てばいいほうだ」と告げる。美代子は今から不動さんのお札を取りに行くと言う。それを聞いた秀松は自分が行くと言い出す。「妹さんが少しでも成田家への恨みを和らげてくれるなら,成田家のためになって,わても助かるんだす!」と言い走り出す秀松に美代子は「間に合わんかったら恨むで」と声をかける。
 次三郎は「安造が良心の呵責に耐えれず帰らない」とお久に説明。次三郎はお糸に追及され,帳面の偽装や安造の横領を認める。だが次三郎は「安造と秀子の一件は秀松が秀子らをそそのかして起こった」と言い,秀松を悪者に仕立てる。お梅も「芝居茶屋で秀松に会った」と証言し,秀松への疑惑が深まる。
 一方,懸命に走る秀松だが鼻緒が切れ足がボロボロになり石切さんの登り口で倒れてしまう。そこへ女将と番頭が通りかかり秀松を介抱する。女将は這ってでも石段を登ろうとする秀松を「とても無理だ」と引き止める。秀松が自分の名を名乗ると,女将は秀松と秀吉のことを知っていた。「間に合わんとえらいことになる。店のためだ。」との秀松の必死な姿に,女将は「お絹さんが渡したと思うんだす」と自分がもらったお札を秀松に与える。秀松は驚くがお札を受け取り病院へと急ぐ。この女将はお絹の働く重の家の女将だった。
68    仏壇アングルで安造が帰るよう祈るお久。お久は裏口へ出て安造の帰りを待つ。お糸はお久に「安造は今頃ノホホンとしている。どうかなっても自業自得。分家の言うことは半分作り話だ」と言う。お糸はお久の体を案じ,自分が待つので先に寝るよう勧める。
 安造は次三郎から聞いた忠助の家を探すが見つからない。偶然女一人の家を見つけ,仮病を装いまんまと家に上がりこむ。安造は寝ぼけたふりをして女に抱きつき「死んだ母の夢を見ていた」と嘘を言い女を口説こうとする。女は安造を部屋で一人で寝させ,悪い男を家に入れたと反省しつつ玄関でウトウトする。
 朝になり女の父親の忠助が帰宅。実は忠助の娘であるお京は男がいたと噂になり嫁ぎ先から出戻りになっていた。忠助は軽々しく男を泊めたお京をどつく。さらに怒った忠助は布団で寝ている男(安造)を棒でどつくが,お互いの顔を見て忠助と安造はびっくり。
 病院では美代子の励ましも虚しく,破傷風の秀子が息絶える。悲しみに泣き叫ぶ美代子。その時,病院へ石切さんのお札を持った秀松が転がり込む。
69    秀松は廊下で看護婦から秀子の死を聞く。秀松は秀子の病室に入り途中でお札をもらったことを美代子に謝る。美代子は「最初から不精するつもりだったのか」と怒る。だが医者が現れ秀松の足が本当に悪いとわかると,美代子はお札を秀松に渡す。妹に向かい「あれでええな」と泣き崩れる美代子。
 朝,お糸は富江に美代子の所へ行くよう頼む。富江は「安ボンの犠牲になるのはいやだ」と一旦断るが,お糸から秀松が一枚かんでいるかもしれないと聞き,秀子が入院していそうな病院を探すことにする。「何かあったらまずうちに知らせて」と言うお糸に,富江は「何かあってくれたらええのになあ」と言い放つ。
 忠助の本名は平野石平だった。忠助は成田屋をやめた後に息子が死に,担ぎ呉服をしていた。忠助は京子からご寮さんが亡くなったと聞き驚く。すぐ成田屋へ行くという忠助にあわてた安造は,「ご寮さんが死んで秀松が店を乗っ取り店を追い出された」と嘘をつく。安造は忠助に「5〜6日ここへ置いてくれ」と頼む。忠助は了承し,京子を外へ連れ出す。実は忠助は既に安造の嘘を見抜いており,成田屋へ知らせに行くことを京子に告げる。更に「呼ばれても安造のそばに絶対行くな。女にかけては古今無類だ。」と忠告する。一方,富江は病院で美代子を探すのであった。
70    富江は秀子の病室で同室だったおばさんに会い,秀子が死んだと聞く。富江は,秀松が美代子の恨みを消そうと石切のお札を取りに行ったことや,足を怪我したこと,秀松がこの病院にいることを知る。秀松はお金がかかるからと病室に入らず廊下にいた。それを知った富江は,看護婦へ「お絹か糸茂からと言ってくれ」と治療費を渡す。看護婦が秀松を病室へ連れて行くが,お絹の名を聞くと歩けない足で病室を飛び出す。実は娘さんが払ったのだと看護婦が白状すると,秀松はお糸が金を払ったと思い込む。「お金を返してくれ」という秀松を,看護婦が無理矢理病室へ押し込む。
 お糸は花の稽古に行く。一人で稽古するお糸の所へ清が現れる。二人はこっそり待ち合わせの約束をする。
 忠助は成田屋でこっそりお久に会い,安造が来たことを話す。お久も忠助に,安造と野田屋の娘の一件を話し,秀松が後ろで糸を引いていると話す。水商売の中でも一番男を見る目があるお茶子を安造が騙したと聞き,忠助は娘の身が心配になり,あわてて帰ると言い出す。安造が「母親が死んでさみしい。母親代わりになってくれ。」と娘に言ったと聞き,お久は絶句する。「実の母親のご寮さんを殺すぐらいなら,わての娘を殺すのはわけのないことで。ひょっとするともう手遅れかも・・・」と忠助のつぶやき。

 

 

 

 

もどる

 

 

inserted by FC2 system