タイトル:アッパレ! あらすじ あかんたれ

あかんたれ

第81話〜第90話

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話数 ひとこと あらすじ
81    絹屋はお糸が自分で売り込みに来たことに驚く。更に相手が決まっていると聞き,絹屋は親を騙す訳に行かないと断る。が,お糸の説得で結局漢水堂との仲人を引き受ける。
 そのころ,安造は飲み屋で酒を飲んでいた。そこへ2階から米問屋の米長らが芸者と共に降りてくる。芸者は安造をおだてて御祝儀だけせしめて米長と一緒に出て行く。怒る安造。あれが成田屋のあほぼんだと聞き,米長はその店長くないなとつぶやく。
 秀松は糸茂の店へ行く。糸茂は景気が悪いと火を始末して暗くなるとつぶやき,秀松を店へ入れる。秀松が今回の事件を相談する。糸茂は「成田屋にともったともし火を秀松が消したので,疫病神と言われても仕方ない」と突き放す。どうしたらいいかと問う秀松に,糸茂は「秀松が希望を与えて早く火をつけないと,お久さんの受けた打撃は大きく危ない」と告げる。そのころお久は愚かな自分を恥じて死を覚悟し,遺書をしたためていた。一方安造は飲み屋でベロベロに酔っていた。お久は子供たちへの遺書を書きながら泣き崩れてしまう。
82    お梅はお久にネズミ捕りの薬を持ってくるよう頼まれる。蔵の鍵をかけようとしていた直助は,お久がネズミ捕りを手に仏間へ入るのを不審に思い仏間をのぞく。お久が正にネズミ捕りを飲もうとしたその時,直助が飛び込み自殺を阻止する。その時はずみでお久の着物の裾がはだけ,足を見た直助は思わずお久を押し倒そうとするが,お久に頬をぶたれ我に帰る。
 店に帰った秀松はお梅からネズミ捕りを渡したことを聞く。不審に思った秀松は裏庭から部屋の様子を伺うが話までは聞こえない。お久は直助をけだものとなじる。直助は謝りながらもこの店にいたからこの年まで独り者だと言い訳。自分は暇を出されてもいいが,店の者を見限って死なないでくれと頼む。お久に向こうへお行きと言われ,直助は薬を拾いトボトボ出て行く。秀松は直助が部屋を出るのを目撃。「なぜ番頭はんが」と思いつつも店に行くと,ちょうど孝助が店に帰ってくる。秀松は孝助に「消えた火は必ずつける」と告げる。
 安造は飲み屋の代金1円30銭が払えず,明日店に取りに来いと言うが,つけは認められない。仲居がすぐ払えと騒いでいる時,店のおかみさんが帰ってくる。おかみさんと安造は顔を見てびっくり。何とおかみさんはお光だった。
 お糸が家に帰り,お久のところへ行くが,お久は何でもないと答える。お糸はネズミ捕りの空袋を拾い自分の部屋へ帰る。「何でこんな薬が」と考えるお糸,「まさか!」とあわててお久を探すと,お久は井戸で水垢離をして体を清めていた。
 
83    お光はこの飲み屋のおかみさんだった。安造は元主人の息子だから勘定を待てと言うが,お光は安造でなく秀吉に雇われていたと反論。取り分(財産の半分)以上を芝居茶屋で使った安造をごくつぶしだと非難する。安造は怒るが,金を払わないまま追い出される。
 直助が寝床で正座し,取り返しのつかないことをしたと後悔していると,店に安造が帰ってくる。安造は秀松をどつき,お光に会ったことを話す。安造は秀松を財産泥棒となじる。そこへ直助が現れ,「成田屋の財産すりへらしたんはあんたやないか!」と逆上し安造に襲いかかる。必死で止めにかかる秀松と豆七。直助は安造を裏庭へ追い詰め,「ご寮さんはどんな思いで待ってたか知ってるのか。財産すりつぶしたのはお前じゃ!」と襲いかかるが,秀松と豆七に止められ奥へ連れて行かれる。安造はお久へ泣きつくが,お久は「悔しいけどほんまのことだ」と突き放す。大泣きする安造。
 翌朝,直助はお久へ辞意を伝えるが,お久は「わてに死ぬなと言うて自分は辞めるのか」と引き止める。安造への苦言も,安造のためにいいことをしたと許し,お久とのことも魔が差したと忘れることにする。お久は直助に安造へ一言詫びるよう命じる。それでもし安造が許さなかったら,安造をあきらめると告げる。一人になったお久は「お母さん,直助を許したのは店のためだす。疑わんといておくれやす。」と仏壇を拝む。
84    お久は直助に安造へ一言詫びるよう命じる。それでもし安造が許さなかったら,安造をあきらめると告げる。直助と孝助は安造のところへ謝りに行くが,安造はこれを許さず,お久に抗議に行く。だがお久も直助をかばい安造に主人を辞めるしかないと言う。安造は怒って部屋を出て行き,今日からお久とお糸が店に出ることになる。孝助と直助は希望が出てきたと喜ぶ。
 お久とお糸が店に出る。お糸は丁稚からやりたいと言い出し,蔵で働く秀松を店に出し,代わりに自分が蔵へ行くと言う。何とか成田屋に明かりを灯したいと思っていた秀松は店に出ることを喜び,裏でお糸に礼を言う。お糸は店のためであり秀松のためでないと冷たくあしらう。
 安造が食事していると,「店の者はお粥なのに,働かずに白米食べる」とお梅がいやみを言う。これを聞き安造は怒る。
 店に絹屋がお糸の縁談を持ってくる。お久と孝助は大喜びする。秀松が絹屋にお茶を出すと,絹屋は腰の低いよい丁稚だと絶賛。お久は秀松の素性をあかす。絹屋は若旦那はどうしたと聞くが,お久は体を壊したとごまかす。お久が絹屋を奥へ案内しようとすると,そこへお梅が安造に追われて逃げてくる。安造は絹屋の目の前でお梅をどつき,お久が必死に止める。あまりの醜態に驚く絹屋。
85    奥の部屋で絹屋は縁談の相手が漢水堂だと話す。お久はてかけの子がいることで相手に断られることを恐れるが,絹屋は実の息子が働かず飯の事でケンカする方が問題だと言う。お久は断られるといけないのでお糸には縁談のことを言わないことにし,一旦呼び出したお糸を追い返す。絹屋は他にばれて困ることはないかと念を押すが,お久は否定する。絹屋が成田屋を出ると,お糸もこっそり後を追い,川岸で絹屋と落合おうとする。
 川岸では安造がうなぎを釣ろうとしていた。通行人から魚はいないと言われ帰ろうとして,絹屋とお糸が密談しているところに出くわす。絹屋はお久が娘のことを思って縁談を隠したとあかし,二度と母親を騙さないよう忠告する。物陰から見ていた安造は,絹屋が何をしているのかいぶかる。絹屋が立ち去ると偶然漢水堂の清が現れる。「会いたかった」と見つめあう二人を安造が影から見ていた。
86    絹屋とお糸が会っているのを安造が目撃。絹屋が立ち去ると漢水堂の清が現れる。お糸は絹屋が今漢水道へ仲人が行ったことを話す。お糸は漢水堂のおみねから言われたことを話すが,清は全く知らないことだった。清はなぜ母親がこのことを自分に知らせなかったのかいぶかる。
 絹屋は漢水堂で縁談の話をする。絹屋は成田屋にてかけの子がいることも話すが,それ以外ややこしいことはないと断言する。絹屋と入れ替わりに米長が漢水堂にやってくる。船場の商人が話題なり,米長は夕べ見た芸子へ祝儀を渡す馬鹿旦那の話をする。確か成田屋とかいうたとの米長の言葉に,漢水堂はびっくり。
 安造は家に帰り,絹屋がお糸に縁談を持ってきたことを知る。お久は安造が原因で縁談が壊れることがないよう仕事しろと釘を刺す。安造はお糸のたくらみに感づく。お久は部屋でお糸に縁談のことを話す。お久はもしあかんでも恨まんでほしいと付け加える。
87    お糸は漢水堂のおみねが何を考えているか不安に思う。安造はこの縁談が普通の手順でないことをバラすぞとお糸を脅迫。20円出せと言うがそんな大金は出せない。これを影で聞いていた富江は,大学へ行くために貯めていた貯金箱を安造に渡して口止めする。お糸はこの金を取り返しお久に正直に言おうとするが,富江は「喜ぶお母さんを裏切るわけにないかない」とお糸を止める。
 漢水堂では清がおみねに仲人のことを聞くが,おみねは成田屋の跡継ぎの悪い話を聞き乗り気でない。おみねは成田屋を徹底的に調べると宣言。
 成田屋では孝助が現金調達のため3割引を4割引に変更すると決断。奉公人が意気消沈する中で,秀松は何とかして値段どおり売れないかと考える。
88    朝,富江が学校へ行こうとすると女学生の服がほころびているのに気づく。秀松は矢絣の袖が弱いという話を聞いて,考えをめぐらす。
 お糸は奉公人と一緒にご飯を食べると言い出す。秀松は給仕するお梅の袖をじっと見つめていたため,皆にからかわれる。お久はお糸が奉公人と一緒におかゆを食べていると聞き,成田屋のこをと本当に考えていたのはお糸だったと気づき仏壇で先祖に謝る。お久と孝助が話している所へ安造が現れ,「今の商売は値段を下げれば売れるので誰でもできる。てかけの子でもな。」と言い放つ。あきれる孝助,唇をかむお久。
 秀松はお松が富江の控えの学生服を縫っている所をじっと見る。秀松は「学生服の袖が弱いなら,付け外しできるようにすればよい。袖だけの着物を作ってくれ」と頼むが,お松は忙しいからと秀松を追い出す。お松と秀松の会話を,お糸は影から見ていた。
 今朝漢水堂が仲人の絹屋を呼び出したとの知らせが成田屋へあり,こんなに早いのはおめでたい知らせに違いないと皆が喜ぶ。店ではお糸の着物用におのおのが反物を選ぶ。秀松は学生服のことを考えて手にしていた矢絣を渡すが,お糸はお久に,矢絣だけは2反くれと頼む。
89    漢水堂へ行った絹屋は,修之助から成田屋の息子が飲み屋で散財したことや,芝居茶屋のお茶子を騙して殺し,大学も退学になったとを聞かされる。驚いた絹屋は平謝り。修之助はこの縁談を断り席を立つ。絹屋はおみねに自分が清に説明すると申し出る。
 おみねと絹屋は清にお糸をあきらめるよう説得する。おみねは「誰にも内緒にしていたが,修之助はあと半年の命なので最後の親孝行をしてくれ」と嘘をつき泣いて頼む。この話に清は驚き心が揺れる。これを廊下で盗み聞きしていた修之助は余命あとわずかと聞きショックを受け寝込んでしまう。病床の修之助の顔を見て作り笑いを浮かべ立ち去る清。これを見て修之助は清をかわいそうに思う。
 富江を家の裏口までつけてきた学生が富江に恋文を渡すが,富江はその場で大声で読み始め,内容にいちゃもんをつける。学生は「とんだすれからしだ」と怒り逃げ出す。そこへ絹屋が怒り顔でやってくる。富江は表から入るよう言うが,絹屋は「表から入れる用件と入れん用件がある」とそのまま裏口から入る。
90    絹屋は家の中のことがわかったので嫁にはもらえないとお久に伝える。お久は「向こうから嫁に欲しいと来た縁談を断るとは成田屋をおちょくっている」と絹屋に怒りまくる。廊下で聞いていたお糸は泣き出し,実は自分が頼んだことだとお久に白状する。絹屋とお糸はお久に騙したことを謝るが,お久はお糸を怒り,絹屋に謝り部屋を出る。絹屋は信じていたのになぜ私に正直に家のことを言わなかったのかとお糸を責めるが,漢水堂の主人の寿命のこと等も説明し,破談にしたことをお糸に納得させる。お糸もご迷惑をかけたと謝る。絹屋はお糸を気の毒に思いながら立ち去る。
 お糸は仏間のお久へ謝りに行く。お久は成田屋の恥をさらしたとお糸を叱る。富江はこれには訳があると抗議。お糸は何もないと言うが,富江は「好きな人ができたのに安ボンに一生懸命で何も気づかない母親のせいだ」とばらす。お糸は堪忍してと言い残し部屋を出る。富江が止めるが,お糸は外へ飛び出してしまう。
 異変に気づいた安造が仏間へ現れ,お久から縁談が家の事が原因で破談になったと聞く。安造はてかけの子がいるから嫁のもらい手がないのだと言う。お久は「あんたのお父さんが入れたんや。恨むならお父さんを恨み。」と泣く。そのころお糸は一人雨の中をふらついていた。

 

 

 

 

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