タイトル:アッパレ! あらすじ あかんたれ

続あかんたれ

第151話〜第155話(最終回)

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話数 ひとこと あらすじ
151    ぼたんの話から,秀松は愛子が高作を連れ戻しに行ったと判断。秀松と孝助は船場へと急ぐ。
 仏壇の前でお久は富江に娘を芸者にするのがはやっていることを話し,糸子を帰らせるよう言う。そこへフラフラの愛子が高作を取り戻しにやってくる。お久は高作を連れて隠れるが,高作の鳴き声で場所がばれる。襖を押さえ愛子を入れまいとするお久。そこへ秀松と孝助が来て愛子に「子供にうつす気か。病院へ帰ろう」と説き伏せる。血を吐いた愛子は襖越しに,「安造の居場所を教えるから高作を安造のように育てるな」と言うと,お久は襖を開け出てきて安造の居場所を問いただす。安造が大連のさくら楼にいると明かした愛子は病院へと連れて行かれる。秀松は安造を連れ戻すため,病院からすぐに満州へと旅立つ。
 翌日,孝助が工場へ出社するとお久が待っており,お久が満州へ行くための借金を頼まれる。孝助は既に秀松が連れ戻しに行ったことを告げ,信じて待つよう言う。
 その夜,富江は回復した愛子に秀松が満州へ行ったことを教え,安造に謝らせると言う。愛子は自分が木下とグルで安造を騙したことを告白。驚く富江。
152    富江は愛子の告白をどう処理しようかと迷う。瀕死の愛子に一目合わせようと,富江は高作を呼びに家に帰る。富江はお久と高作を病室へ連れてくるが,愛子は「お願い。外へ連れ出して」と言ったきり,そのまま息絶える。
 さくら楼では安造が金がないのに博打で借金を作り,帳場の金を盗もうとして見つかり板前らに袋叩きにあう。さくら楼の女将は怒り,安造を10銭宿にいる木野山の元へたたき返す。
 その翌日,さくら楼に秀松がたどり着き,女将に安造がいるかと尋ねる。女将は安造が本当に成田屋の主人だったと知り驚き,板前に安造を呼びに行かせるが,既に安造は蒙古へ出発していた。秀松から愛子のことを聞いた女将は,愛子が悪人から良い母親に変わったことを知る。秀松は「若旦さんの恥はお店の恥だ」と言い,金を立て替えると申し出る。秀松が安造とは比べ物にならない人物だと判断した女将は,1銭だけ秀松から受取り,「これで恥は全て消えた」と言う。さくら楼を出た秀松は道行く兵士に,蒙古へ行こうと駅への道を尋ねる。
153    愛子は死んだが,秀松はそれも知らず大連で安造を探す。愛子の葬儀は鶴橋の工場で行われた。三七日の法要の日(死後21日),お久が霊前にお参りに来る。その時,フラフラにやつれた秀松が工場へ帰って来て,愛子の死を知り驚く。安造が見つからなかったと報告すると,お久は安造をあきらめると宣言。お久はいやなことは早く済ませたいからと,糸子が帰る十日戎の日に富江の婚礼も行うと告げる。
 秀松と二人きりになった富江は,お久の心をやわらげるのでもう少し待ってくれと言う。愛子に線香をあげた秀松は過労で意識を失い三日三晩眠り続けるが,皆が順に看病して何とか無事回復し,十日戎の日を迎える。
 糸路は重の家の女将・おしげ・お絹らに最後の挨拶と感謝の言葉を言う。重の家には秀松と直助が迎えに来ており,糸路を宝恵駕籠にのせて「宝恵駕籠ホイ」の掛け声で連れ帰る。成田屋の前には見物客が集まるが,その中に傘にかくれた怪しい人物がいる。
 花嫁衣裳の富江はお久に挨拶するが,婚礼前にもかかわらず二人は険悪な雰囲気。成田屋へ糸子のかごが到着し皆が出迎えるが,お久だけは出迎えに出ない。
154    糸子がお久に挨拶するが,お久は喜んで迎えるわけではないと答える。孝助はお久に次三郎が来たことを伝える。傘に隠れた人物は次三郎だったのだ。次三郎はこっそりお久に会い,婚礼のお祝いを手渡す。お久は次三郎が秀松のおかげで真面目に働いていることを知り驚く。
 婚礼が始まり糸茂が親代わりに挨拶。音松は昔不始末で成田屋を辞めたことをお久に詫びるが,お久は許さず,「婚礼は二人で勝手に決めて抜き差しならなくなったので仕方なく認めた」と言い放つ。続いてお久が挨拶し,安造をあきらめ高作を主人にすると宣言。お久は皮肉やいやみを散々言った後,突然高作を立派な商人にするため,秀松の元へ丁稚に出すと言う。驚く一同に,お久はこれまでの秀松の手柄を示し,口惜しいけどれも,秀松は立派な成田屋の子供だと言う。
 婚礼後,秀松は皆から今度こそお絹と一緒に住むよう言われるが,今日初めてお久の苦しい気持ちを知った秀松は,お久に親孝行するためこれを拒否。
 お久は仏壇アングルで愛子に高作のことを報告。秀松は高作を抱きそろばんであやす。おすみは一緒に住めないと知りがっかりするが,秀松に善光寺参りに連れて行かれ大喜び。だがその直後一晩の病で死亡。それから10年たったが,安造の消息はまだなかった。
155  

 支配人孝助は隠居し,直助が支配人。高作少年は秀松の元で丁稚。豆七と捨吉は小売店へ独立。富江は3人の子持ち。糸子は直助の奥さんで子供はまだ。秀松は船場の店を3階建てのビルヂングに建替える計画をたてる。
 それから2年後,成田屋は再び船場に戻り,それから更に7年経った。シナ事変が始まり,成田屋では高作の出征祝いが行われる。そこへボロボロの服の安造が通りかかり,それをお絹が見つける。逃げる安造をお絹が捕まえ秀松を呼ぶと,その声に糸子ら店の者が出て来ていやがる安造を無理矢理店に入れる。
 お久が高作へ生水飲むな等注意をしているところへ安造が連れてこられると,お久は安造を1発ぶち泣きながら抱きつく。安造は成長した高作に対面。安造は皆から,秀松が高作を主人にして店を大きくしたことを聞かされ,謝れと責められる。一度は拒否する安造だが,高作からも秀おじさんだけが父親と言われ,ついに秀松の前に土下座する。秀松は安造の手を取り弟なら当たり前だすと言い,糸子らも秀松は弟だと言う。お久はお絹と秀松に一緒に住むよう言い,皆で外へ出る。安造と高作は抱き合って泣く。
 店の前に集まった人々の前で,幸助が「ステテコ大将の成田秀松が今日からお母さんと一緒に住めることになった」と挨拶。高作入営の前に秀松を見送ることになる。秀松はお絹を背負い,バンザイの掛け声に送られ店から去って行く。

 (最後のナレーション) 『秀松はこうして母のお絹と共に暮らすことになった。実に30年ぶりにである。大正から昭和にかけての律儀な辛抱強い日本人がいた時代だったせいもあったが,同じ時,同じように生まれた秀太郎と安造の二人のあかんたれが,育ち方によりこうまで将来が違ってきたのである。そして今,秀松とお絹は泣いている。しかしこの涙は30年前急に母親の手から離され,成田屋へ渡され,また渡した時の親子の涙ではない。最も幸福な涙である。この涙は清らかでまた尊い。』

 完

 

 

 

 

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